留学の相談を受けていると、「留学をしたいのですが、何から始めたら良いのか分かりません」というご質問をよく受け取ります。留学情報は溢れているので、情報ばかりが先走って「頭でっかち」になってしまうようです。私からのアドバイスは、まずは「留学がしたい!」と思ったら、自分自身について考えてみましょう。
「留学をするのに目的は必要ですか?」「英語力を伸ばすのが留学の目的というのはおかしいですか?」こんなご質問も、沢山の方から受け取ります。他人の目的について、あれこれ言うのは失礼だと思っている私ですが、少々気になるなぁというのが正直な感想です。
私の経験をお話したいと思います。私が将来について一番悩んだ時期は、ちょうど「留学をしたい病」になっていた時期と重なります。アメリカ人の友人が出来た高校時代。「外国に行きたい。」とうるさく言っていた私に呆れた両親は、とうとうイギリス行きを許してくれました。(その時はイギリスの方が航空券が安かったので。)
ケンブリッジ大学を訪ねたことがあります。日本の大学とは違うキャンパスの壮大さから、「やっぱり外国はいいなぁ。外国の大学へ行きたいなぁ。」と外国に思いを馳せ、留学の夢が広がりました。しかしその時は、「外国の大学で勉強したい」という漠然な思いだけ。どうせ日本の大学へ行くつもりだったのだから、同じ大学なのだから、どこだろうと関係無いと考えていました。希望の専攻は英語でした。中学時代に苦手だった英語は、高校生になってから、アメリカ人の友人のお陰で、得意教科になっていました。ただそれだけの理由でした。
「留学したい」と両親に相談しました。やはり、留学にはお金が掛かります。それに外国へ行くのです。両親に相談無しでは出来ません。もちろん両親には猛烈に反対されました。父には生まれて初めて怒鳴られました。「留学、留学って。何が勉強したいんだ!英語なんて日本でだって勉強できる」と。的を得た答えに反論も出来ませんでした。怒ったことが無い父親が大声を出したことに驚き、そしてまた、その父親の答えにも関心をしてしまって、初めて私は自分について考えることをしました。
人間は自分自身から逃げてしまうこともあるようです。私は自分の夢さえも曖昧でした。やはり年齢が若い分、経験不足で、知らない事が多過ぎたからだと思います。
「私は死ぬ前に何がやってみたいんだ」と自分に問い掛け続けた時期があります。「そうだ。私は作文が得意で、よく先生に誉められたっけ。作文コンクールにも出たことがあったなぁ。」「そうだ。私は高校生の割には、新聞を毎日読むし、政治世論は父親と話し合うくらい興味があるなぁ。」そんなこんなで、「そうだ。ジャーナリストなんて、私にぴったりなんじゃないか。」とテレビを見ながら考えた訳です。(ちょうどその頃、湾岸戦争で、ジャーナリストが評論家とは違って見えました。)
最初はいい加減なキッカケから全てが始まりました。しかし、そんな色々なキッカケが積み重なり、自分自身と向き合い考えて行く内に、やっと夢が出来上がるのだと思います。自分の夢が出来上がれば、もう簡単。後は実行に移すだけ。本当によく自分と向き合い続けたら、夢の実現のためのステップは自分で考えられるはずです。
結局、私は両親に留学を反対されたまま、アメリカへ向かってしまいました。今となっては、両親共に「留学に出して良かった」なんて近所に言い回っていますが、母は正直に付け加えます。「さやかがアメリカに何し行っているのか、3年くらい、さっぱり分からなかった。本当に大学を卒業したなんて、未だに信じられない。」両親に相談すると喧嘩になるから・・・と、私は留学準備は一人でやってしまったのです。誰にも相談せずに、全て手続きを済ませてしまいました。こんな私からアドバイスするのは、とてもオコガマシイですが、日本に居る時しか親孝行は出来ませんから、ぜひご家族としっかり話し合いをして頂きたいです。
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November 4, 2005






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